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竹内歯科医院 デンタルメモ87
「飲み込む力」を強くする。
こんにちは。前回は、高齢者の死亡原因第4位は肺炎で、そのほとんどは「誤嚥性肺炎」。そして、この肺炎を予防するためには「口腔ケア」と「飲み込む力」(嚥下力)を強くすることが大事だというお話をしました。嚥下力の低下には脳卒中やパーキンソン病等が原因となっていることもありますが、一般的には60歳を過ぎると口腔周囲の筋力が低下して、「飲み込む力」が落ちてくるようです。そこで今回は「飲み込む力」を強くするためには、どうしたら良いのか?についてお話ししたいと思います。 (兵庫県歯科医師会資料 参照)
1.呼吸のトレーニング
腹式呼吸によって深い呼吸を心がけます。呼吸機能を高めることで、気管に食べ物が入った場合でも排出しやすくなります。腹式呼吸は、まずゆっくり息を吐き出し、最後はお腹をへこませるまで息を出し切ります。そしてゆっくりお腹まで息を入れる感じで吸っていきます。これを繰り返します。食べ物がのどに詰まったり、むせたりするのは、食べ始めの時にもっとも起こりやすいので、食事の前に腹式呼吸をしてから落ち着いて食べるようにしましょう。
2.発音のトレーニング
パ行(パ、ピ、プ、ぺ、ポ)、ラ行、タ行、カ行、マ行を繰り返し発音します。これらの音を発する時には、食べ物を飲み込む時と同じ器官(口、舌、のどなど)を使うので、器官を鍛えることができます。
3.首や口・舌のトレーニング
首や口・舌の周辺の緊張をとり、リラックスさせることで、飲み込む時の筋肉運動をスムーズにすることができます。
首のトレーニングは、肩の力を抜いて、首をゆっくり前後・左右に動かし、首筋をしっかり伸ばすようにします。口のトレーニングは、ほおをふくらませたり、へこませたりを繰り返します。舌の場合は、思い切り前に出したり、引っ込めたりします。
これらのトレーニングは、食べ物を口に入れずにできるので、自分で安全に行うことができます。回数などは自分の体力などに応じて、無理のない程度にし、毎日続けるようにしましょう。
トレーニング方法には、その他にもいろいろありますが上記は簡単な方法なので、軽度の嚥下障害や予防しようと考えている方には適していると思います。嚥下障害の症状が進んでいる場合には、病院などに問い合わせ、専門的な治療やリハビリテーションを行っている施設でトレーニングを受ける必要があります。
肺炎につながる誤嚥は、食事中よりも就寝中などに無意識のうちに起こることが多く、のどの筋肉を鍛えるだけでは防げません。たとえ細菌が肺に入っても、咳がしっかりできれば、細菌を体外に追い出すことができます。また、菌をやっつける抵抗力があれば肺炎にはなりませんので、全身の体力を維持することが大事です。また肺炎予防には、口から食べられなくなったような場合でも、口腔ケアは欠かせませんので、お忘れないようお願いします・・ !(^^)! R 1.10