デンタルメモ32 バージャー病と歯周病|竹内じゅんぺー歯科|神戸市灘区六甲の歯科・歯医者

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デンタルメモ32 バージャー病と歯周病


 

 

竹内歯科医院  デンタルメモ№32

 

「バージャー病と歯周病」

 

こんにちは。

さて、皆さんは「バージャー病」という病気をご存知でしょうか?「バージャー病」とは手足の末しょう血管が詰まって壊死(えし)する原因不明の難病です。最近、この病気に歯周病菌が関与していることが明らかになってきました。そこで今回は「バージャー病」についてお話したいと思います。

 

昨年11月、この病気が「たけしの本当は怖い家庭の医学」の中で放映されましたので、その内容を簡単に紹介します。

**喫煙者、歯周病のある男性は注意したい「バージャー病」**

38才の男性が歯茎から出血するも放置。1週間後、指先にピリピリする感覚を感じる。風呂上りなのに手足が冷たい。その後、ぶつけた足の小指の傷が化膿し、真っ黒に変色。病院へ行くと小指切断と診断される。また1年後、病気の進行を食い止めるためひざ下を切断することになった。

 

[バージャー病とは?] (東京医科歯科大学 医学部 血管外科 HPより抜粋)

バージャー病とは 喫煙する20~40代の比較的若い男性に好発する四肢の閉塞性動脈疾患です。バージャー病が発症すると、手足の血管で炎症が発生し、それが原因で血管が閉塞します. 閉塞は動脈と静脈双方で発生します。 また、同時に神経にも影響を及ぼします。 これらが原因で、手足にチアノーゼや強い痛みが生じます。足だけでなく手でも閉塞が発生するのが、バージャー病の特徴のひとつです。最悪の場合、ひざ下の切断に至ることもあり、かつての喜劇王エノケンもバージャー病のために下肢の大切断をうけました。わが国では約1万人の患者がいると考えられており、難病として国の特定疾患に指定されています。

 

[最近のバージャー病研究]

「バージャー病」に歯周病菌がかかわっていることを東京医科歯科大学グループが突き止め、その結果が米国の血管外科専門誌 2005年7月号に発表されました。今まで原因不明であったバージャー病と歯周病の関連を示した世界で初めての成果として、一般紙でも広く報道されました。石川烈同大教授(歯周病学)は「歯周病菌が手足の血管に広がって、バージャー病を発症する可能性の高いことが分かった。予防には、歯周病対策のための歯磨きが大切だろう」と話しています。

治療方法は現在も確立されていませんが、この病気は喫煙との関連が強く、従来は禁煙が唯一の治療方法と考えられていました。

[まとめ]

「バージャー病」同様、歯周病菌が心臓病や糖尿病にも関与していることは、以前このデンタルメモでもお話しました。このようなことから、歯周病は単に口の中の病気と考えず、全身に影響を与える病気として捉えたほうがよいでしょう。歯周病は症状の出にくい病気だけに放置されやすく、健診などで早期発見・早期治療が最も大切です。皆様が、いつまでもおいしく食事ができ、元気であることを願っています。