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竹内歯科医院 デンタルメモ№48
「口腔(こうくう)がん」
こんにちは (^^)v
お口の中にできる粘膜の病気を口腔粘膜疾患と言います。前回はそのなかで「アフタ性口内炎」「ウィルス性口内炎」「扁平上皮がん」についてお話しました。口腔粘膜疾患には多種多様のものがありますが、その中で多くの方が心配されるのが、やはり「口腔がん」のようです。そこで今回は最近のデータなども含め「口腔がん」についてお話したいと思います。
「口腔がん」の現況
2005年の「口腔がん」の患者数は約6.900人で、がん全体の1~2%です。男女比で見ると男性のほうがやや多く、60歳代に最も多いようです。しかし、2009年度の「口腔がん診療ガイドライン」によりますと、最近の高齢化社会に伴って、患者数の増加や高齢化が進んでいると言われています。
発生部位
「口腔がん」は口の中のあらゆる部位に発生します。通常、舌がん(舌のがん)、口腔底がん(舌と歯ぐきの間にできるがん)、歯肉がん(歯ぐきのがん)、頬粘膜がん(頬の内側の粘膜にできるがん)、硬口蓋がん(口中の上あごにできるがん)などに分類されます。
わが国において最も多いのは「舌がん」で約60%をしめます。
発生要因
一般にタバコとアルコールの多飲が大きな危険因子といわれています。噛みタバコの習慣が多い東南アジアでは発生率が約30%と高率を示しています。
その他の危険因子としては、口腔粘膜への慢性的な刺激・・例えば、歯が欠けていたり、義歯があってなくて舌や歯肉を常に刺激している場合などがよくないと考えられます。
症状
一般的には初期の「口腔がん」では痛みや出血などはなく、硬いしこりが触れるのみの場合が多いです。口内炎は、通常1~2週間で治りますが、なかなか治らない口内炎の場合も注意が必要です。「口腔がん」ではありませんが、前癌病変といって、そこから「がん」が高頻度で発生する粘膜疾患があります(白板症・紅板症など)。これらは、また違う症状ですから、なかなか治らない粘膜疾患は自己判断しないほうが良いでしょう。
治療、治癒率
ほとんど全ての口腔がんで手術治療が必要となります。早期のがんでは手術単独で治療できる場合もありますが、進行したがんになると一般のがん同様、手術に放射線治療や抗がん剤を組み合わせた治療になります。治癒率はがんの大きさや進行の度合いによってかなり差があるようですが、本当の初期であれば5年生存率が70~80%あるようです。やはり、一番大切なことは早期発見・早期治療ですね。
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