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© Junpei Takeuchi Dental Clinic
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竹内歯科医院 デンタルメモ№54
「歯科のレントゲン被曝について 」
こんにちは。歯科治療において、しばしばレントゲン撮影を行うことがありますが、「何枚も撮ってだいじょうぶですか?」と聞かれることがあります。福島原発の放射能被曝に関連して、レントゲンについても心配されている方がいらっしゃると思いますので、今回は「歯科のレントゲン被曝」についてお話したいと思います。
◇ X線撮影
放射線のなかには、α線やβ線に代表される粒子放射線や、X線のような電磁放射線があります。α線やβ線は体に対する影響も大きいですが、がんの治療などに応用されます。X線は比較的体に対する影響力が小さく、コントロールしやすいため、通常の歯科レントゲン撮影にはX線が使用されます。
◇ シーベルト
最近、TV等でよく聞く言葉だと思いますが、人体が受ける放射線量は「シーベルト」という単位で表します。1シーベルトは1000ミリシーベルトです。放射線というと怖いイメージがありますが、私たちは普段から宇宙や大地など自然界からも放射線を浴びています。その自然放射線量は1年間で世界平均が2.4ミリシーベルト、日本平均が1.5ミリシーベルトで地域によってもかなり差があるようです。 さて、歯のレントゲン放射線量はどれぐらいでしょうか?
デンタル撮影(部分的に写す、小さなサイズ) 0.016~0.039ミリシーベルト
パノラマ撮影(口全体を写す、大きなサイズ) 約 0.04ミリシーベルト
ちなみに、胸部X線CTは6.9ミリシーベルト、胃の集団X線検診は0.6ミリシーベルト。
つまり、パノラマ撮影でさえ日本の自然放射線量の10日分でしかなく、歯科のレントゲン被曝量は非常に小さいと言えるでしょう。もちろん、できるだけ被曝しないほうが良いのですが、歯科治療においてレントゲンによって得られる情報は多く、そのメリットは大きいと思われます。
◇ 当院の防護安全対策
通常のレントゲン室と、レントゲン撮影できる治療室があります。両部屋とも窓ガラスは鉛入りガラスで防護していますので、室外の人が被曝する心配はありません。また、X線はスイッチを切った途端に消滅しますので、レントゲン室に放射線が残存することはありません。
レントゲン撮影をする場合、少し重いですが鉛入りのエプロンを着用してもらいます。歯科のレントゲン撮影する部位は、影響の受けやすい生殖器等と離れていますので人体に対する影響は少ないと言われていますが、このエプロンによりX線を遮断し、影響をゼロに近づけています。
H18年にレントゲンをデジタル化したことで、レントゲン照射時間が約半分になりました。つまり、被曝量も半減したということです。
H23.7