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© Junpei Takeuchi Dental Clinic
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「歯周治療の難しさ 」
こんにちは。前回は歯周病の治療や予防で最も大事な「プラーク・コントロール」についてお話しました。このプラーク・コントロールが確実にできていれば、歯周病は理屈の上では治るはずです。しかし、現実には多くの方が歯周病に罹り、歯を失う一番の原因となっています。(歯周病は全体の42%で、むし歯は32%) では何故、原因や治療方法もわかっているのに、歯周病を治すのは難しいのでしょうか?それには以下の3つの要因があると考えられます。
「自覚症状が出にくい」 「口腔清掃が難しい」 「生活習慣の影響」
そこで今回は、この3つの要因についてお話ししたいと思います。
◇自覚症状が出にくい
歯周病の進行は非常にゆっくりしているため、お口の中の変化になかなか気が付きません。平成17年の歯科疾患実態調査(厚生労働省)によると、40~60歳の80%以上の方が歯周病にかかっていますが、その年代において歯周病を自覚している人は2~3割しかいません。つまり、自分で気が付いた時には思った以上に進行していることが多い病気です。進行すると骨がとけて、歯周ポケットができます。重症になるほど、治療は難しくなります。
◇口腔清掃が難しい
歯磨きが難しい理由には2つあると思います。1つは技術的な面です。歯周病のための歯磨きは結構難しいと思います。今は患者さんの知識も豊富ですし、歯ブラシ以外に電動ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなど使われている方もいらっしゃいますが、歯と歯の間や歯と歯茎の間など細かいところを清掃することは決して簡単ではありません。もう1つは清掃の回数、もしくは時間です。間食まで入れると、通常私たちは1日に3~4回食べます。食べるごとにお口の中は汚れますが、毎回清掃することや、また1回で確実にきれいにすることも容易ではありません。
◇生活習慣の影響
歯周病も日々の生活習慣に影響を受けます。現代人に起こりがちな食生活の不規則や睡眠不足、またストレスも歯周病を進行させやすくなります。抵抗力が落ちると歯周病に罹りやすくなります。また、ストレスは体に様々な影響を与えると言われていますが、口の中では唾液の分泌量が減ります。緊張すると口やのどが渇くのは、そのためです。唾液の中にはお口の中を守ってくれる成分がたくさんありますが、ストレスなどが多い場合にはその効果が薄れ、歯周病は進行しやすくなります。また、ストレスにより唾液中の副腎皮質ホルモンの濃度が高くなり、それによって白血球の働きが阻害され、免疫機能も低下します。
◇お薦めは、よく咬むこと
残念ながら歯周治療の特効薬はありませんが、こまめに歯を磨くことや定期健診での口腔ケアが有効です。でも、分かっていてもなかなか出来ないですよね(笑)。比較的簡単な方法としては、よく咬むことをお薦めします。よく咬むことによって歯の周囲組織が強化されますし、唾液もたくさん出ますのでW効果です。よく咬むためには、食生活の見直しも大事です。小さなことの積み重ねが歯周治療の効果を上げることになると思います。