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© Junpei Takeuchi Dental Clinic
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「歯内療法、Part2」
こんにちは。前回に続いて歯内療法(シナイリョウホウ)についてお話ししたいと思います。
歯を健全に保つためには、神経は欠かせないものです。しかし、むし歯などで歯の痛みがひどい場合には、神経を抜く歯内療法が最善の治療方法となります。ただ、歯内療法は大変難しくて、世界のトップレベルの先生でも100%完全に治せるものではありません。もちろん、歯科医療も進歩して、昔に比べればかなりの確率で治せるようになりました。
一方、長い目で見ると神経を抜いた歯を抜歯せざるを得ないことも多々あります。ですから、神経は残せるのであれば、出来るだけ抜かずに保存したいものです。そのためにも神経を抜くと、どんなデメリットがあるのか・・について、知って頂きたいと思います。
(参照: 歯の教科書HP)
歯の異変を感じられなくなる
歯の神経が通っていると、食事中に冷たいものや温かいものがシミることで、歯の異変を感じ取ることができます。また、むし歯の進行によって、徐々に痛みが増してくるなど、歯の状態をいつも知らせてくれます。しかし、神経を抜くことは、こうしたシグナルを失うことになります。被せていた冠が、ある日いきなりボロッと折れたりするのも、神経のない歯にはよくあることです。
むし歯から守る力が失われる
神経は痛みとして異変を知らせるだけでなく、むし歯になると歯を固くしたり、むし歯の急激な進行を食い止めたりといった役割も担っています。したがって、神経を抜いた歯は、むし歯の進行がより速くなる傾向があります。
歯がもろく割れやすくなる
歯の神経部分には血液も循環しており、水分を供給するなど歯を健全に保っています。神経を失って血液の循環が絶たれると、歯はもろくなり割れやすくなります。枯れた木がポキッと折れやすくなるのと同じ理屈です。
歯の色が黒ずんでくる
血液の循環は、歯の新陳代謝にも関わっています。神経を失い血液が循環しなくなると、歯の内部組織の新陳代謝がなくなるので、歯の色が徐々に黒ずんできます。
温度が感じられなくなる
むし歯が悪化して、冷たいものや温かいものがシミる時にしか強く自覚することはありませんが、神経があることによって、歯はいつも温度を感じています。したがって、神経を抜くと温度を感じなくなり、食事の味にも影響してきます。
まとめ
以上のように、神経を抜くことには様々なデメリットがありますので、出来るだけ神経は抜きたくありません。しかし、現実には数多くの歯から神経が抜かれていきます。なぜなのか?答えは、むし歯は神経を抜くぐらい進行しないと、痛みが出にくいからです。つまり、痛みが出てからでは遅いということです。そのためにも定期的な健診をして、早期発見・早期治療をしましょう。
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