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竹内歯科医院 デンタルメモ№86
「口腔機能と誤嚥性肺炎」
こんにちは。前回は「噛む」「飲み込む」「話す」「呼吸する」等が「お口の機能」で、
機能が低下しないようにするには「歯」「舌」「唾液」の3つの要素が大切だというお話しをしました。これらの機能が低下すると、心配なのが「誤嚥性肺炎」です。そこで今回は「口腔機能と誤嚥性肺炎」についてお話ししたいと思います。
(こうべ歯と口の健康づくりプラン 参照)
日本の高齢化に伴って、肺炎は65歳以上で死因の第4位、90歳以上で第2位となっています。高齢になるほど死亡率が高くなり、肺炎で亡くなる人の97%以上を、65歳以上の高齢者が占めています(グラフ参照)。また、高齢になるほど肺炎全体に占める「誤嚥性肺炎」の頻度は高くなり、80歳以上では約7割と言われています。
硬いものが咬みづらい、食べこぼしが増えた、飲み込む時にむせる、滑舌が悪くなった、口の渇きが気になる等の「ささいな衰え」がみられるようであれば、それは口腔機能が低下しているサインです。このような状態を「オーラルフレイル」と言いますが、高齢者が歯科医院等で口腔機能の向上に取り組むと、約80%の人に味覚が改善、86%の人の介護度が改善したという報告があります。お口の機能を維持することで、食事が美味しく、誤嚥性肺炎も予防でき、よく咬むことで脳も活性化します。
口腔機能を向上させるには、「口腔ケア」と「機能訓練」の2つの方法があります。
「口腔ケア」とは、お口の中をきれいにしてお口の細菌を減らすことですが、多くの人にとって決して簡単なことではありません。以前、私が訪問診療をしていた患者さんは肺炎で年に何回も入退院を繰り返していましたが、2週間に1回程度の専門家による「口腔ケア」で肺炎を起こさなくなりました。「機能訓練」とは、咀嚼や嚥下機能の維持向上なため、関連する筋肉を鍛えることです。特に、「飲み込む力」を強くすることが大事です。口の中が渇く場合は、唾液腺マッサージなどにより嚥下がスムーズにできるようにします。口腔機能を向上させ、美味しく食べて、いつまでも楽しく暮らしましょう !(^^)! R 1. 7