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竹内歯科医院 デンタルメモ№26
「歯周病の治療で、糖尿病の状態が改善した??」
こんにちは。今回は「糖尿病と歯周病」についてお話したいと思います。
ご存知のように糖尿病というのはさまざまな合併症を引き起こす怖い病気です。そして現在、日本人にも急激に増えてきているようです。そのような糖尿病が、実は歯周病と密接な関係があることが分かってきました。ちょっと難しいところもありますが、お付き合いください。
◇ 糖尿病患者数の増加
6月19日の日経新聞を見ますと、日本で糖尿病を患っている人は約740万人。予備軍まで含めると、約1620万人にもなるそうです。そして、患者数はこの50年で50倍に増えたということです。この背景には生活環境の変化が大きく影響しているようです。別に調べたところ、年齢が増すにつれて糖尿病の人は増え、特に40歳以上では10%以上の人が糖尿病にかかっているという報告もありました。
◇ 糖尿病とは?
糖尿病は血液中のブドウ糖の量を示す血糖値が高くなり、全身にさまざまな病気をもたらします。糖尿病の状態が続くと、神経障害、網膜症、腎症などの合併症を引き起こし、足壊疽や失明、心臓病や脳卒中の原因にもなる怖い病気です。
◇ 糖尿病と歯周病の相関関係
6月21日の朝日新聞を見ると「歯周病を治療することで、糖尿病の状態が改善した。」という記事が載っていました。岡山大学付属病院では、これまで十数人が歯周病治療により糖尿病が改善したそうです。この新聞に掲載されたように、糖尿病があると歯周病にかかりやすいだけでなく、最近では歯周病が糖尿病にも悪影響を及ぼすことが分かってきました。
○ 血糖値が高い(糖尿病)と、歯周病にかかりやすく治りにくい
血糖値が高くなると――つまり、糖尿病だと――感染を防ぐ仕組みがよく働かずに、感染症にかかりやすくなります。そのため糖尿病の人は歯周病の罹患率が高く、糖尿病でない人に比べると約2,5倍の頻度で歯周病が起きやすくなります。また、糖尿病の人は歯周病がより重症化しやすい傾向があるようです。
歯周病にかかると、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きが妨げられて、血糖値が高くなりやすくなります。このため、慢性感染症である歯周病を放置すると、糖尿病の治療によくない影響を与え続けます。歯周病の人は歯周病でない人より、糖尿病の罹患率が約2倍高いそうです。糖尿病の人が歯周病をしっかり治療すると血糖コントロールが改善する場合もあります。
このような事から、私たちは生活習慣病(歯周病や糖尿病に限らず)を個々の病気として捉えるのではなく、全身の病気と考え、自己の健康管理に留意していく必要があるのではないかと思います。