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竹内歯科医院 デンタルメモ№28
「唾液とドライマウス Part.1」
こんにちは。昨年の8月にNHKの「ためしてガッテン」で「現代病!ドライマウスの恐怖」という番組が放映されました。このドライマウスというのは、さまざまな原因により唾液の分泌が低下し、口の中が乾燥することです。この病気は単に口が渇くという不快症状だけではなく、歯周病、むし歯、口臭の原因にもなります。また咀嚼障害や味覚障害の一因にもなりますし、肺炎を起こす可能性も高くなります。このようなドライマウスの人が最近激増し、国内だけで推定800万人が罹患しているといわれています。
そこで今回はこのドライマウスについて理解していただくために、まず「唾液」というものがどんな働きをしているのか・・ということについて、お話したいと思います。
[唾液とは?]
唾液は大きな唾液腺(大唾液腺)と無数の小さな唾液腺(小唾液腺)から分泌されます。そして通常、健康な人の分泌量は1日1~1.5リットルです。
大唾液腺・・耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つがあります。
小唾液腺・・口の内面全体に多数存在しています。
[唾液の働き】
1)食べ物を消化します。(消化作用)
唾液中の消化酵素(アミラーゼ・リパーゼ)でデンプンを麦芽糖に分解する働きがあります。
2)咀嚼・嚥下・味覚を助けます。(溶解作用)
食べ物の表面をやわらかくして食魂を形成し、咀嚼や嚥下を助けます。
また、味物質を溶解して味を感じやすくさせる働きがあります。
3)口の中をきれいにします
唾液は99.5%が水分で、食べかすを洗い流して口の中をきれいにする働きがあります
4)発声を助けます。(円滑作用)
発音や会話をスムーズにする。
5)微生物と戦っています。(抗菌作用)
抗菌作用を持つ物質で病原微生物の増殖を抑制しています。
6)口の中のphを調整します。(緩衝作用)
通常、口の中はph7ぐらいですが、ph5.5ぐらいの酸性に傾くとむし歯になりやすくなります。しかし、唾液中の成分(重炭酸塩やリン酸塩)が酸を中和する働きがあります。
7)粘膜を守っています。(潤滑作用)
ムチンなどの成分は口の中の粘膜が切れたり割れたりしないように保護しています。
8)歯を守り、修復します。(再石灰化作用)
酸によって溶かされたエナメル質に、唾液中のカルシウムやリンが沈着し、歯の表面を修復します。
唾液の分泌が低下していく(ドライマウス)と、このような様々な働きが失われます。そこで唾液を少しでも分泌させるためには?・・それには「よく噛む」ことが最も重要です。ところが食生活の現状を見ますと、とくに子供を中心に軟食化傾向となっています。軟食→十分に噛まない→唾液が出ない→飲み込みにくい→飲み物で流し込む、というような悪循環に陥っているようです。ドライマウスはまさに現代病といえるかもしれませんネ。ドライマウスについてはまた次回お話しますが、「噛む」ことは、ほんとに大事ですよ!!