デンタルメモ37 誤嚥性肺炎と口腔ケアについて|竹内じゅんぺー歯科|神戸市灘区六甲の歯科・歯医者

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デンタルメモ37 誤嚥性肺炎と口腔ケアについて


                   竹内歯科医院  デンタルメモ№37

「誤嚥性肺炎と口腔ケアについて」

2007年2月21日の「ためしてガッテン」で、肺炎について大変分かりやすく

説明されていました。そこで今回は口腔ケアと関係の深い「誤嚥性肺炎」について、

番組の内容も含め、少しまとめてお話したいと思います。

☆ 肺炎の増加

肺炎の死亡者は戦後激減したにもかかわらず、この20年間でなんと2倍以上にまで増加し、現在年間10万人以上となっています(日本人の死因の第4位)。これは国民の高齢化や薬の効きづらい細菌が増えていることに起因すると考えられますが、誤嚥性肺炎はこの肺炎のひとつです。

 

誤嚥性肺炎とは食べ物や唾液が誤って気道に入ってしまうために起こる肺炎のことです。お年寄りや食べる機能に障害のある人は眠っている間に唾液を誤嚥してしまい、口腔内の細菌によって肺炎を起こす事がよくあります。しかし通常は、我々の肺に細菌が入ることはありません。さて、その理由は??

☆ノドの「フタ」

気道には、「喉頭蓋(こうとうがい)」という小さなフタがあります。

食べ物や飲み物が入ってきた時には、このフタが閉まり、気道への侵入を防いでくれます。また、食べ物が通った後は瞬時にフタは開き、呼吸と食事を両立させ、なおかつ細菌から肺を守っています。しかし、加齢や脳の損傷などによってフタの閉まるタイミングが遅れると、気道に食べ物や細菌が入りやすくなり、誤嚥性肺炎を起こす可能性があります。

☆ 口腔ケアで予防

誤嚥性肺炎の予防方法として、「口腔ケア」が改めて見直されています。

従来は、「口腔ケア」をすることにより口の中の細菌が減り感染の可能性が少なくなる、とだけ考えられてきました。しかし、最近の研究では歯ぐきを刺激することで脳が活性化し、フタの閉まりが早くなることによって誤嚥性肺炎が減少することが分かってきました。

ある老人ホームで肺炎の発症率を調べた結果、歯磨きを

しなかったグループの19%が肺炎になったのに対して、

1日たった1回だけ歯を磨いていたグループの肺炎発症率

が11%まで減少したという報告もあります。

近年、高齢者のインフルエンザ感染が問題になっていますが、口腔ケアによりインフルエンザ発症のリスクをかなり軽減させられることも最近の研究で分かってきました。

 

今回は「口腔ケア」が全身の健康にとって大切だという話でしたが、

年齢とともにその重要性はますます高まるようですネ!!