デンタルメモ49 HIV感染症と口腔(こうくう)カンジダ症|竹内じゅんぺー歯科|神戸市灘区六甲の歯科・歯医者

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デンタルメモ49 HIV感染症と口腔(こうくう)カンジダ症


 

 

竹内歯科医院  デンタルメモ№49

 

HIV感染症と口腔(こうくう)カンジダ症」

 

こんにちは (^^)v

私たち(医療関係者)の間には、「口腔粘膜は全身の免疫を映す鏡である。」という言葉があります。事実、免疫不全症であるHIV/AIDSの患者さんのおよそ80%の方に何らかの口腔内症状が認められるようです。

「口腔カンジダ症」は誰にでも起こりうる病気ですが、HIV感染者に早期に現れる病気として注目を浴びています。そこで今回は「口腔カンジダ症」についてお話したいと思います。

 

「口腔カンジダ症」とは・・。

口の中には300種類以上の細菌がいると言われています。その中のカンジダ菌という真菌(しんきん)による感染症で、主として白い苔のようなものが生じる病気です。

 

原因

カンジダ菌は30~40%の人の口の中に常在していますが、健康な人が発症することは極めて稀です。通常、高齢者や乳幼児、妊婦などの比較的抵抗力が弱い人が感染しやすいですが、糖尿病、がんの放射線治療や化学療法、ステロイド薬や抗生物質の長期服用、AIDSなどの免疫不全症なども誘因となります。

また唾液の減少、義歯の入れっぱなしやお口の清掃不良なども誘因となることがあります。

 

発生部位と症状

頬、口蓋、口唇や舌の粘膜で、歯肉に発症することは稀です。

偽膜性カンジダ症(上左図)といって、口の中に白い苔のようなものが生じることが多いですが、通常、痛みはあまり出ません。白い苔は取れやすく、その後粘膜は赤くなり、出血しやすくなる場合もあります。また、萎縮性カンジダ症(上右図)といって粘膜が赤くなる場合もありますが、こちらは痛みを伴うことが多いようです。入れ歯が合わなくて痛いと思っていたら、実は萎縮性カンジダ症だったということも高齢者にはあるようです。

 

診断と治療

病状と細菌培養検査によって診断します。(竹内歯科でも検査することが出来ます。)

治療としては抗真菌薬を使いますが、併用してはいけない薬もたくさんありますので注意を要します。

最も重要な事なことは、口腔カンジダ症を発症した人は全身状態に何らかの変化があることが多いので、その原因をできる限り取り除くことだと思います。また、口腔清掃も大事な治療方法だと考えています。

 

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