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竹内歯科医院 デンタルメモ№56
「歯周ポケットとは? 」
こんにちは。前回は、「なぜ、歯周病で歯を失うのか・・??」についてお話しました。その理由は、歯周病は自覚症状があまり無く、治療が遅れるためでしたね。歯周病とは、歯の周囲の歯肉が炎症を起こし、歯を支えている顎の骨が徐々に溶けていく病気ですが、今回はこの病気を理解する上でキーワードとも言うべき、「歯周ポケット」について説明したいと思います。
◇ 歯周ポケットとは?
歯と歯肉の境目には、健康な人でも「歯肉溝」と呼ばれる隙間があります。通常1~2ミリ程度です。ここにバイ菌がたまると、簡単な歯磨きではなかなか取れません。ちょうど爪の汚れが取れにくいのと同じですね。そして、そのままにしておくと歯肉は炎症を起こし、徐々に歯肉が剥がれるように歯肉溝は深くなっていきます。これを「歯周ポケット」といいます。
「歯周ポケット」ができると、バイ菌はさらに溜まりやすく、かつ取り除きにくくなります。また、奥に溜まったバイ菌は酸素が届きにくいので、嫌気性細菌という超悪玉菌になり、歯肉はさらに炎症を起こし、歯を支えている顎の骨まで溶かしていくのです。
歯磨きというと通常、歯を磨くと考えている方が多いと思います。確かにむし歯予防のためには、それで良いのかもしれません。しかし、歯周病を予防したいと考えるのであれば、歯ではなく歯周ポケットのバイ菌を取り除く必要があります。ですから私たちは、大人の方には「歯肉を磨くイメージで、歯磨きをしてください。」とアドバイスしています。
では、歯肉を磨くイメージで歯磨きをすれば、歯周ポケットのバイ菌は取れるのでしょうか?
結論から言うと、歯周ポケットが4ミリ以上ある箇所はご自身の歯磨きだけでは無理と考えてください。磨くことはもちろん大事ですが、そのような場合は定期的に歯周ポケットのクリーニングを歯科医院で行う必要があります。クリーニング後に炎症を抑える薬を歯周ポケットに貼薬すれば、より効果的でしょう。どれぐらいの間隔が適当か・・というのは、個人差があり一概に言えませんが、ある程度進行した歯周病でも3~4週間に一度程度で良いと思います。その理由は、歯周ポケットに入ったバイ菌がすぐに嫌気性細菌という超悪玉菌になるわけではないからです。ただ重度に進行した歯周病は、定期的に管理していても腫れたり痛んだりすることがあります。やはり、歯周病は早期発見・早期治療が一番大切です。
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