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© Junpei Takeuchi Dental Clinic
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「糖尿病と歯周病の関係」
こんにちは。先日、私の先輩(60代後半の歯科医師)が体調不良と目の不具合を主訴に病院を受診したところ、即入院。病名は2型糖尿病と網膜症です。退院後2か月以上経った今でも、休診せざるを得ない状態だと聞きました。改めてこの病気の怖さを感じましたが、現在糖尿病の患者さんは急激に増えているようです。
糖尿病は様々な合併症を引き起こしますが、我々が専門である「歯周病」は第6の合併症と言われています。そこで今回は「糖尿病と歯周病」の関係についてお話ししたいと思います。
◇ 糖尿病患者数の増加
厚労省の平成19年国民健康・栄養調査によると、日本で糖尿病が強く疑われる人が約890万人。予備軍まで含めると、約2210万人にもなるそうです。糖尿病は生活環境が大きく影響していて、年々増加する傾向にあります。糖尿病は初期段階ではほとんど自覚症状がありません。そのためか、約4割の方はほとんど治療を受けたことがないそうです。そして、年間で14000人くらいの人が糖尿病で亡くなっています。
◇ 糖尿病とは?
糖尿病は血液中のブドウ糖の量を示す血糖値が高くなり、全身にさまざまな病気をもたらします。糖尿病の状態が続くと、神経障害、網膜症、腎症などの合併症を引き起こし、足壊疽や失明、心臓病や脳卒中の原因にもなる怖い病気です。
◇ 糖尿病と歯周病の相関関係
○ 糖尿病の人は、歯周病にかかりやすく、治りにくい。
糖尿病の人は歯周病の罹患率が高く、糖尿病でない人に比べると約2,5倍の頻度で歯周病が起きやすくなります。また、糖尿病の人は歯周病がより重症化しやすい傾向があります。
○ 歯周病の人は、糖尿病にかかりやすい。
歯周病にかかると、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きが妨げられて、血糖値が高くなりやすくなります。このため、慢性感染症である歯周病を放置すると、糖尿病の治療によくない影響を与えます。歯周病の人は歯周病でない人より、糖尿病の罹患率が約2倍高くなります。
以上のように、糖尿病と歯周病は相互に悪影響を及ぼし合いますが、糖尿病があってもしっかりと血糖コントロールをしていれば、歯周病の起こりやすさは、健康な人とあまり差はありません。さらに近年では、「糖尿病患者の歯周病を徹底的に治療することで、血糖コントロールが改善された」という報告がよく見られるようになってきました。糖尿病と歯周病を同時にきちんと治療していけば、必ず双方に良い影響を与え合います。生活習慣病(歯周病や糖尿病に限らず)というのは、それぞれを個々の病気として捉えるのではなく、全身の病気と考え、自己の健康管理に留意していく必要があるのではないかと思います。