デンタルメモ73 大人のむし歯・・根面う蝕|竹内じゅんぺー歯科|神戸市灘区六甲の歯科・歯医者

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デンタルメモ73 大人のむし歯・・根面う蝕


 

 

竹内歯科医院    デンタルメモ№73

 

「大人のむし歯・・根面う蝕」

 

こんにちは。近年、歯周病の増加とともに中高年のむし歯が増えているようです。歯は歯肉から外に出ている部分(歯冠)と、歯肉の中に隠れている部分(歯根)に分けられます。大人のむし歯は歯冠だけではなく、歯根にもできる事が大きな特徴です。この歯根にできるむし歯を「根面う蝕」と言います。そこで今回は「大人のむし歯・・根面う蝕」について、お話ししたいと思います。

 

  • 歯周病と深い関係

根面う蝕は歯周病と深い関係があります。年齢と共に歯肉は多少下がりますが、歯周病になると骨が吸収され、さらに歯肉は退縮します。50歳を超えると歯周病の罹患率は上がり、歯肉が下がると歯根が露出してきます。特に歯と歯の間から起こり易いのですが、見えにくい場所なので初期の段階では自分ではわかりません。

歯根は大変むし歯のなりやすい場所です。なぜなら、歯冠の部分は硬いエナメル質によって覆われていますので、むし歯になりにくく最初は進行もゆっくりですが、歯根はエナメル質がありませんので柔らかく、一旦むし歯が始まると急速に進行します。

 

年齢と共に唾液の分泌量が減ると、食物残渣や細菌を洗い流す自浄作用や、酸性の口腔内を中和する緩衝作用が低下し、さらにむし歯のリスクは高くなります。

歯周病の無い若い方でも、間違った歯磨きの仕方で歯肉が下がり、むし歯になることもあります。また、被せものが多い方も要注意でしょう。

(画像は三重県歯科医師会HPより)

  • 根面う蝕の特徴

根面う蝕の特徴のひとつは、進行が速いため重症化しやすいことです。二つ目は歯冠のむし歯と違って治療が非常に困難なことです。

 

歯の中には神経が入っている穴があります。歯根はエナメル質がある歯冠と違い、神経までの距離が2~3mm程度しかありません。根面う蝕は元々見つけるのが困難なむし歯ですが、見つけた時にはもうすでに神経まで進行していることも少なからずあります。

 

治療は基本的には歯冠のむし歯と同じですが、歯肉より下であったり歯と歯の間であったりしますので、見えにくいし器具も届きにくいので、治療は大変困難です。

また、根面う蝕は根の周囲を帯状にむし歯が広がることがよくあります。むし歯の部分を取っていくと、ちょうどリンゴをかじったように真ん中だけが細くなり、最悪の場合、むし歯のない健康な歯冠部がポロリと折れてしまうこともあります。

 

◆まとめ

歯根はむし歯になりやすいので、予防はなかなか難しいのですが、基本はやはり日々のブラッシング、特に歯と歯の間を歯間ブラシで磨くことです。そして定期的な健診が大事になります。

また年に数回、フッ素塗布を行うことも有効だと思います。          H28.4