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竹内歯科医院 デンタルメモ№80
「歯内療法、Part4」
こんにちは。前回は、歯内療法の「治療の流れ」についてお話ししました。
むし歯が進行し、やむなく神経を取らないといけない場合でも、きちんと治療すれば歯の寿命を延ばすことが出来ます。しかし、歯内療法は大変難しくて、世界のトップレベルの先生でも100%治せるものではありません。2011年に発表された東京医科歯科大学の論文によりますと、「神経を抜いた歯の約半数が予後不良であった。」と報告されています。それほど歯内療法は、難易度の高い治療だということです。では何故、この神経を抜く治療が難しいのか?について、今回はお話ししたいと思います。 (参照: ムシバ ラボ)
(註*)根管とは、歯の神経が入っている穴のことです。
一般的に前歯で1本、小臼歯1~2本、大臼歯で3~4本の根管があります。当然、数が多いほど治療に時間がかかります。また、下の前歯や大臼歯は根管が非常に細く、治療が困難となります。根管の太さは年齢によっても変化し、だんだん細くなります。高齢者になると、根管を見つけることさえ、難しくなる事があります。そのため最近、大学病院等では顕微鏡を導入している所もあります。
根管の形は、ただ太い細いだけではなく、複雑な形をしている歯もあります。下左図のように細く枝分かれしていたり、網目状になっている根管もあります。根管治療の目的は、根管内の感染物を除去することです。しかし、このような場合は器具が届かず機械的清掃ができませんので、お薬を使って消毒していくしかありません。
上右図のように、根管は曲がっていることが多いです。曲がった根管には器具を真っ直ぐ入れることができないため、根管の先端まで治療できないことがあります。
(4)直視できない
直接目で見えない細かい部分から、目に見えない細菌を除去する手探りの作業。
まとめ
その他にも根尖病巣と言って根の周りまで感染が広がっている場合などは、より治療が困難となり、成功率は低くなります。このような治療の難しさからも、神経を取らないよう早期にむし歯を発見すること、つまり健診が非常に大事だと言えるでしょう。 H30.1