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竹内歯科医院 デンタルメモ88
「歯科医から見た新型コロナウイルス予防」
こんにちは。今、世界中で新型コロナウイルスが大流行しています。自分が感染しないために、また周りの人に感染させないために、政府は「三つの密」(①密閉 ②密集 ③密接)が重なる状況を避け、手洗い・アルコール消毒、咳エチケットなどの予防策を奨励しています。マスクは飛沫感染や接触感染を予防するために非常に有効だと思いますが、ご存じのようにWHOや欧米諸国では当初、マスクには否定的な考えでした。日本でも「三つの密」が重なる国会では3月末までマスクをする議員はほとんど無で、とても違和感を覚えました(アベノマスクで一変しましたが・・笑)。さて、「うがい」や「口腔ケア」は予防に役に立つのでしょうか?そこで今回は、「歯科医から見た新型コロナウイルス予防」についてお話ししたいと思います。
(厚労省HP、日本医事新報社HP,日本環境感染学会HP 参照)
「うがい」は日本人にとって「手洗い」同様、感染予防の基本とされてきました。しかし調べてみると、「うがい」の予防効果は風邪やインフルエンザには医学的に証明されていません。では、必要ないのでしょうか?ウイルスは鼻や口から入り込み、咽頭部の粘膜に付着します。もし、ウイルスが粘膜上皮細胞に取り込まれる前に洗い流してしまえば、感染予防できる可能性は高いのではないかと推察できます。新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスより潜伏期間が長いため、発症するまでに比較的猶予がありますので、「うがい」はより効果があるのではと考えられます。まだ有効なワクチンがない現状で、手指衛生と咳エチケット以外何もしないというのは無策ではないかと思うのですが・・。
「うがい」でも特にお薦めなのが、通常のうがいより「鼻うがい」です。薬局でも売られているようですが、0.9%濃度のぬるめの食塩水でいいようです。口からの「うがい」をするには場所が必要ですが、水やお茶を飲むだけでもある程度の効果は期待できるようです。(口うがいより飲むことを推奨している先生もいます。)
ご存じのように新型コロナウイルスに感染して発症しても約8割の人は軽度で、2週間くらいで治ります。問題は残りの2割の方です。8~10日で重症化し、肺炎を引き起こし、さらに重篤化すると急性呼吸器症候群等が起こり、死に至るケースもあります。特に高齢者(60歳以上)や免疫力の低下している方はリスクが高いとされています。
以前にも誤嚥性肺炎について、このデンタルメモでお話ししたことが何度かあります。この誤嚥性肺炎は細菌による肺炎ですから、口の中が清潔であれば誤嚥性肺炎を10分の1にできたという報告もあり、「口腔ケア」をすることで予防することが可能です。しかし、細菌とウイルスは別物ですから、新型コロナウイルスによる肺炎を「口腔ケア」で予防することはできません。ただ、新型コロナウイルスによって肺の免疫力が落ちると、細菌による肺炎が起こりやすくなります。ダブルパンチにより、肺炎はさらに重篤化する可能性が高くなります。そのような意味で、「口腔ケア」は感染したとしても重症化のリスクを減らすことができると言えるでしょう。
また、歯周病菌がもつタンパク分解酵素がウイルスを活性化させ、インフルエンザ感染を助長させることが分かっています。新型コロナウイルスでは活性化させるかは不明ですが、「口腔ケア」もお忘れないようお願いします。 !(^^)!
R 2. 5