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竹内歯科医院 デンタルメモ91
「認知症と歯周病の関係 +α」
こんにちは。前回は、糖尿病と歯周病の関係について説明しました。その他にも、歯周病が影響を及ぼす全身の病気はいろいろありますが、最近、歯周病が認知症とも関係することが分かってきました。そこで今回は「認知症と歯周病の関係」についてお話ししたいと思います。
(きょうの健康2020 4月号、朝日新聞アピタル 参照)
国内における認知症患者数は、年々増加しており、今後5年ごとに100万人ずつ増えると予測されています。2025年には5人に1人が認知症になると言われています。
認知症は脳の老化による物忘れとは違い、何らかの病気によって脳の神経細胞が傷つき破壊されて起こる症状や状態を言います。脳の老化による物忘れは、忘れたことを自覚しており、忘れたことはヒントがあれば思い出せます。しかし、認知症は忘れた自覚がなく、ヒントがあっても思い出すことができません。認知症が進行すると、徐々に理解力や判断力がなくなり、日常生活に支障をきたします。
認知症のうち、全体の70%はアルツハイマー型認知症です。脳血管型認知症は約20%、レビー小体型認知症は約4%です。これらは「三大認知症」といわれ、全体の約94%を占めています。
近年、認知症と歯周病の関係が注目を集めています。認知症の約7割を占めるアルツハイマー型認知症は「アミロイドベータ」などの異常なタンパク質が少しずつ蓄積することで発症や症状の進行につながるとされています。2020年、歯周病菌やその毒素が血管を通じて体内に侵入することで、この「アミロイドベータ」が体内で作られ、脳に蓄積され、記憶障害が起きることを九州大学などの研究チームが解明しました。
過去の研究で咀嚼を行うことで、脳血流量が上昇することが明らかになっています。歯を失う一番の原因は歯周病ですが、歯を失うと咀嚼能力が低下し脳血流量も減少します。そのため認知症のリスクが上がると考えられています。実際、歯の抜けている本数が多いほど、認知症を発症しやすいことが統計的に分かっています。
脳にたまったアミロイドベータは、主に睡眠中に脳の外に排出されます。適切な睡眠をとることで、アルツハイマー型認知症が発症しにくくなると考えられます。睡眠と認知症の関係を調べた海外の研究では、1日7時間を目安に睡眠をとり、規則正しい生活を心がけるのがよいといわれています。
糖尿病がある人は、認知機能が低下しやすく、認知症を発症しやすいことが分かっています。糖尿病があると、ない場合に比べて「アルツハイマー型認知症」は約1.5倍起こりやすくなるといわれています。 R 3. 3
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