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© Junpei Takeuchi Dental Clinic
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竹内歯科医院 デンタルメモ92
「むし歯の治療に有効なフッ素について」
こんにちは。4月から竹内歯科医院の勤務医になりました、竹内じゅんぺーです。今回は原点に帰って、むし歯の治療・予防のためにどういうことが必要かを、改めてお話ししたいと思います。実は、歯科界も医学の進歩によってむし歯に対しての考え方が変わってきていますので、「えっ?昔聞いた話とちがうなぁ。」「はじめて聞いたよ、そんな話。」があるかもしれません。実際、僕も10年前の学生時代にはなかった説が、ここ最近むし歯の常識として知られるようになってきました。昔と今で比較しながら理解しやすいよう説明していきます。
従来の考え方は、むし歯の菌によって歯が溶けている病気です。歯が溶けている部分があれば、それ以上の進行を止めるため、小さいむし歯でも歯を削っていき、そこに歯科材料を詰めるといった歯科治療が主になっていました。
今の考え方は少し違います。むし歯は歯が溶けたり(脱灰)、修復したり(再石灰化)する過程であるといった考えに移行しています。つまり虫歯の菌を保有している人は、毎日毎日、その日ごとに歯が溶けては、また修復するというむし歯の過程を繰り返しています。もちろん溶けすぎると修復しませんので、その際は従来通りの歯科医院での歯科治療が必要です。
なので、現在のむし歯の治療で大事なのは、いかに毎日歯を修復させるか!です。歯が痛くなって→歯科医院に行って→先生にむし歯を指摘され→口を大きく開けて→きれいにかつしっかりと歯を削る治療を受けること、ではなくなってきているのです。
唾液は溶けた歯が修復しやすい状況を作ってくれます。夜にむし歯が進行すると言われるのは、寝ている間の唾液分泌が減るためです。また唾液だけでなく、フッ素という成分が歯の修復(再石灰化)に有効なことが分かっています。フッ素は歯を強くするために子供の頃のみに塗るイメージがあると思いますが、私たちの口の中は毎日むし歯になっているので、少しでも歯が修復(再石灰化)することを期待するなら、子供だけでなく、大人も毎日フッ素を使っていくことをオススメします。
フッ素の有効性は昔から知られており、地域によっては水道水に含まれていたり、幼稚園や保育園でもフッ素うがいを行っているところもあります。市販の歯磨き粉もフッ素配合など書いていることがあるでしょう。しかし例えばフッ素濃度について、考えたことがあるでしょうか?幼稚園までやっていたうがいは小学校ではやらなくていいんでしょうか?いつの時期まで、どれぐらいの濃度で、何回ぐらい、など実はフッ素について、皆さんがわかっていないことがあるはずです。
当院受診の際は、一度フッ素について聞いてみてください。年齢によって適切なフッ素濃度があることやフッ素を効率よく取り込む方法、またフッ素うがいについて等、ぜひいろいろ教えさせてください。むし歯の治療がどんどんどんどん減っていくことを、心から願っています。
R 3. 6